4冊目の婚活関連本「大人の婚活」が発売されたのは、今年の2月下旬のことでした。
私としては過去に出した著書にくらべ相当に力を入れて作った本なので、結婚に悩む多くの男女に読んでいただきたかったのですが、発売と同時にコロナ渦が本格化し、主要書店は営業を止めるなど、本を売るタイミングを逸してしまいました。
とは言っても、思い入れのある本なのでコツコツ売っています。
タイトルを「大人の婚活」としているので、晩婚化が定着して久しい今、40代女性の婚活と結婚の可能性についても、私の考えや経験を述べて欲しいとのことで、数ページ、そのテーマを書きました。
つい5年ほど前までは、40代女性の縁談をまとめることは、私にとっては結構難しい仕事でした。
しかし、ここ2、3年くらいでしょうか。40代の成婚者は年々増えるようになり、私自身の意識もずいぶん変わってきました。
これからは40歳からの、言うなれば「大人の結婚」がますます増えていくように思います。
そのように思える理由の一つは、日本人の平均寿命が、年を追うごとに延びているからです。
現在、男性が81.09歳で女性は87.26歳ですから40代はちょうど人生の中間地点。
「それでも遅い結婚なのかな?」と考えながら、お見合いから事務所に帰る途中、ふと、ある童謡の歌詞が頭に浮かんできました。
“十五で姐やは嫁にいき” そう、あの「赤とんぼ」の一節です。
女性が15歳で嫁いでいた時代とは、正確にはいつ頃だったのだろうか?
調べてみると、この「赤とんぼ」が発表されたのは1921年(大正10年)とありました。
そして、その当時の平均寿命は43歳でした。私でも、知るよしもない、100年近く前の時代に思いをはせると、遠い昔、母から聞いた話がよみがえってきました。
私の母は、20歳の時に結婚をしました。
その当時、女性の結婚適齢期は18,9歳くらいで、21、2歳になると周りから結婚をせかされたのだそうです。
それから考えると、20歳でほぼ人生の半分に達していたわけですから、平均寿命と結婚年齢の関係でだけでみれば、現在の「40代の結婚」は、受ける印象ほど、「遅い結婚」とは言い切れないような気がますますしてきました。
(出産年齢などの課題はありますが・・・)
ちなみに言うと、平均寿命の推移は、戦後間もない1947年で50歳。
戦没者がなくなった1951年には、いっきに60歳まで上がり、1971年には70歳を超えました。
そして、それたから40年を過ぎた2013年には80歳に達し、今に至っています。
平均寿命と結婚年齢という、無理くりに関連づけをしてしまいましたが、それについてはここまでにしておいて、40代女性の婚活と結婚の可能性について、私の仕事場で起こっていることをもとに探っていきたいと思います。
一般的にお相手探しにおいて、男性は女性の年齢を重視し、女性は男性の経済力を重視すると言われます。私たちのような結婚相談所をつうじた、いわば「婚活の場」においては、特にこの傾向が強く表れます。
それがお見合い相手を選ぶ、一番単純でわかりやすい基準だからです。
ただ男性が若い女性を選ぶその理由を、一般的に考えられている「男性らしさ」の表れと決めつけるのは、少し短絡的な考えではないかと私は思います。
というのも、ここ数年、30代後半から40代の男性の多くが、自分と近い年齢の女性に対し、何か怖れのようなものを感じているように私には見えるからです。
それも女性がバリバリ社会で活躍することが、当たり前になった今の時代性が大いに関係しているのでしょうか?
あかね屋でも40代女性会員さんのほとんどは、お勤め先でもそれなりのポジションに就き、充分に自立できるだけの経済力をもっています。
男性にとって最も避けたいことは、劣等感を持つことです。
男性の思考回路は「縦の関係」、つまり「上下」や「優劣」、「序列」を重んじるようにつくられています。
それが社会で活躍するのに役立つからです。
しかし、それが恋愛や結婚となれば、その思考回路は40代女性には不利に働きます。
男性にとって、昨今の有能な40代女性と共にいることは、それは自身の劣等感を誘発しかねないからです。
だから、一緒に居て、常に自分が優位でいられる(優位でいられると思い込んでいる)
若い女性を求めるのです。
男性には、そのような女性には理解しがたいこだわりとか、面子があるのです。
実はそんな複雑な部分を持つ男性に対し、女性が求めていることはなんでしょうか?
経済力も自分より上であることは当たり前で、お相手の男性には自分をリードして欲しい、頼もしくあって欲しいと、言ってはばかりません。
40代女性の多くは、社会での経験も充分に積み、多少のことではへこたれない精神的なタフさ知恵も身につけています。
問題は知らず知らずのうちに男性が脅威に感じるほど、自分が強く、大きな存在になっているという現実を自覚できていないことです。
また、それだけでなく年齢的には女性ホルモンの分泌が下がり、そのぶん、たくましさ、おおらかさなどの男性的な性質が出やすくなっています。
そのせいで、細かいことに頓着しなくなる。
たとえば、お化粧や髪の手入れもアバウトになったり、服装もパンツルックが主になったりするなど、男から見た女らしさが徐々に目減りするようになるのです。
それでいて、男性には20代の頃と変わらず、乙女チックな理想を求めている。
40代女性は油断すると、そのような、ある意味矛盾した婚活をしてしまっているという「盲点」に気づき、大人の理性で自分の欲求と折り合いをつけるよう意識することが大事だと私は思います。
次回はこれまで結婚されていった40代女性たちの結婚に対する考え方や婚活への取り組み方について、事例をまじえた具体的なお話をすることします。
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